二人とも環境への意識が高いTさん夫妻。いかに自然と身体に優しくありながら、心地よく住まうかもこの家のテーマだった。
建築材には県産の木材をふんだんに使い、壁は珪藻土塗りにした。
更に、ハシバテクノスが販売している古材も化粧材として多く使われている。だがT邸のこだわりはこれにとどまらない。
設計者の提案に奥様が「ぜひに」と、断熱材も植物を主成分とした土に還る素材を使っている。
雨水タンクを設けて、花や観葉植物の水やりなどに利用するのも奥様のアイデア。
さらに特筆すべきが、電気蓄熱床下暖房(通称スラブヒーター)の設置だ。
スラブヒーターは、床下の土間コンクリートに深夜電力で蓄熱して、まず土間コンクリートから1階の床面を輻射熱で暖め、
さらに床面からの輻射熱で1階の部屋全体を暖める。
同時に暖められた床下空間の空気が床下と1階床面との間に設けられたガラリ(スリット)を通して自然対流し、家全体を暖めるシステム。
利点は低温でも全館が均一に暖まり、従来の床暖房のように温度ムラがないこと。
身体にも優しく木材の歪みも少ない。ほかにランニングコストや建物の寿命の面でもメリットがある。
「眠るときも、とても気持ちよく休めます」と奥様も大満足。
しかも、ハシバテクノスの高気密高断熱技術と、ソーラー発電、エコキュートなどの設備があいまって、
年間の光熱費がほぼゼロになるという。ランニングコストがかからない住まいなのだ。
もちろん薪ストーブの薪代は別だが、薪割りで運動不足の解消もできるし、コスト以上の楽しみがあるのだから気にならない。
それに薪は、最もシンプルなバイオエネルギーだから、環境への貢献度も高い。
信州ならではの風景を楽しみながら、信州の自然に寄り沿う暮らしをする。T邸はそのお手本のような住まいだ。


- ご主人のアトリエは、大型のカンバスに向かうのにも十分な広さがある。 無垢のナラ材の床と薪ストーブとの組み合わせも美しい。
- 池田町の高台にあるT邸。眼前には、北アルプスのパノラマが広がる。 その景色に似合う端正なたたずまい。
- キッチンとダイニングの空間を分ける化粧梁やカウンター、 棚にはハシバテクノスが販売している古材を用い、室内空間のアクセントとした。
- 1階のダイニング。信州産アカマツの腰板が空間を落ち着かせている。 アトリエは中2階にあり、生活の場と仕事・趣味の場が空間的にも心理的にもゆるやかに仕切られている。

スキップフロアにしたことで、各々の空間が独立しながら一体感もある。立体的な動線、そして目線の変化も楽しい。

「松本近辺で景色のいいところに暮らしたい」と、土地探しからハシバテクノスに依頼したというTさん。
池田町の高台に建つT邸からの眺望は、まさに胸のすくような絶景だ。
冬の朝がことにいい。朝焼けに染まる北アルプスが刻一刻と色を変えていくのを見ると、涙が出るほど感動する。
そんな眺望を独り占めにできるのが、北西の窓をフィックスにした中2階である。 薪ストーブがあるこのスペースは、美術教師をしているご主人のアトリエを兼ねたリビングだ。
T邸はスキップフロアを採用し、ダイニング、キッチン、寝室、バス・トイレ等は1階スペースに集約、 中2階がアトリエ、2階がクローゼットと予備室という構成。
スキップフロアは、スペースを有効に使える、動線が短くなる、間取りに個性が出せるなどのメリットがあるが、 1階の生活空間と仕事場であるアトリエとを違う階層にしたことが、心理的な効果を生んでいる。 わずか数段の段差が、日常に流れる時間と芸術に没頭する時間を行き来する境界となり、気持ちのスイッチを切り替えてくれるのだ。
間取りはご主人が考え、自らスケッチした。「さすがは芸術家。建築の三次元の空間を理解されていて、 素人が描くようなブレがないんです。私たちはそのスケッチを基に三十数枚の設計図を描きました」とは、 ハシバテクノスの設計者の談。自分で思い描いたとおりの空間で最上の時が過ごせる。これを豊かさと呼ばないで何というのだろう。
そんな眺望を独り占めにできるのが、北西の窓をフィックスにした中2階である。 薪ストーブがあるこのスペースは、美術教師をしているご主人のアトリエを兼ねたリビングだ。
T邸はスキップフロアを採用し、ダイニング、キッチン、寝室、バス・トイレ等は1階スペースに集約、 中2階がアトリエ、2階がクローゼットと予備室という構成。
スキップフロアは、スペースを有効に使える、動線が短くなる、間取りに個性が出せるなどのメリットがあるが、 1階の生活空間と仕事場であるアトリエとを違う階層にしたことが、心理的な効果を生んでいる。 わずか数段の段差が、日常に流れる時間と芸術に没頭する時間を行き来する境界となり、気持ちのスイッチを切り替えてくれるのだ。
間取りはご主人が考え、自らスケッチした。「さすがは芸術家。建築の三次元の空間を理解されていて、 素人が描くようなブレがないんです。私たちはそのスケッチを基に三十数枚の設計図を描きました」とは、 ハシバテクノスの設計者の談。自分で思い描いたとおりの空間で最上の時が過ごせる。これを豊かさと呼ばないで何というのだろう。

コンクリート基礎に蓄熱するスラブヒーターを採用。 低い温度でも家全体がムラなく暖まり、ランニングコストも抑えられる。寝室も程よい暖かさで快適。

敷地面積 | 422.44m2(422.44坪) |
延床面積 | 150.80m2(45.61坪) |
1F面積 | 97.30m2(29.43坪) |
2F面積 | 53.50m2(16.18坪) |
工法 | 木造在来工法(金物構法) |
基礎 | RC造ベタ基礎 |
構造材 | カラマツ集成材 他 |
断熱材 | 屋根/水発泡ウレタン148㎜ 外壁/水発泡ウレタン171㎜ 基礎/スタイロフォーム100㎜ |
屋根材 | アルミ亜鉛メッキ鋼板 横葺き |
外装材 | 窯業系サイディング・アクリル樹脂系塗料吹付・カラマツ板張り |
床材 | 無垢ナラフローリング |
開口部 | アルミ断熱サッシLow-Eペアガラス |
キッチン | WOODONEシステムキッチン |
バスルーム | INAXシステムバス |
給湯 | エコキュート |
その他 | スラブヒーター (深夜電力利用の床下蓄熱暖房システム) |