VOICE 07

広さに頼らない
「ゆったり」「のんびり」の家

  • 中信地区K邸 ご家族3人

ナチュラルでシンプルで
普遍的な、自然や時を
感じられる住まいに

 大きな家ではありません。1階部分の面積が18坪余りですから、むしろ小さなお宅です。なのに、この家にくつろぎをおぼえるのはなぜでしょう。
 設計を担当した小松さんとの初回の打ち合わせで、K夫妻は「統一感、ナチュラル、シンプル、外とのつながり、窓辺にヌック」というキーワードを挙げ、二人の要望を伝えました。2回目3回目の折に、自ら描いた間取図と写真の切り抜き集を前に夫妻が口にしたのは、「ゆったり、自然や時を感じられる、普遍的」という言葉でした。
 ナチュラル、シンプル、普遍的など長く住まうために大切なことについて、K夫妻と思いを一つにした小松さんは、引き算の美学を感じさせる普遍的な和の空間をベースとしながら、使い勝手や使い心地にも気を配ったジャパンディな雰囲気にこの家をしつらえます。
 外とのつながりや、自然や時を感じたいという要望を叶えたのは、たとえばリビングに設けた大開口の窓や、ベンチを据えたウッドデッキです。そこここで家族は、東に連なる山並み、植栽が受け取る風や光、それらが1日のなかで、四季の移ろいのなかで、表情を変えていくのをいつくしみます。
 ヌックは階段の踊り場に設けました。その高さが絶妙で、秘密基地のような「こもり」感がありながら、外の風景も楽しめて、採光にも、屋内での視線の抜けにも役立っています。

抑揚をつけた空間が
家の広さに頼らない
ゆったり感を演出

 では、「ゆったり」はどう実現したのでしょう。デッキを介した庭との連続性がカギですが、他にも工夫がありました。
 まず抑揚をつけた空間づくりです。玄関からキッチンダイニングへのまっすぐなラインで奥行き感を演出し、そこまでの天井は板張りにして高さを抑えました。緩やかなアーチを描くリビングの天井は少しだけ高くして、素材に白のクロスを用いました。リビングに入った瞬間の開放感のみならず、玄関にいるときからその予感を抱きます。
 また、窓やドアは上辺を天井の高さまでもってきて、目障りな横の線を減らしていること、それ自身がくつろぎスペースであるヌックを介して、リビングから西側へ視線が抜けていくことも、空間の広がりを感じさせるのに役立っています。
 動線もいい仕事をしています。夫婦の毎日を綿密にシミュレートしてできあがったそれは、リビング、ウッドデッキ、洗面室、玄関、キッチン、ダイニングを回遊しています。動線上の適所に収納を設けることで、作業の合理性と効率性はより高まり、気持ちにゆとりをもたらします。
 自分たちに必要なものを見極めながら、家の広さに頼らない「ゆったり」と「のんびり」を、こうして夫妻は叶えたのです。

OWNER'S VOICE

  • Q1

    家づくりで一番大切にしたことは?

    長く住まうために飽きのこない家にすること。のんびり過ごせること。

  • Q2

    こうしておいてよかった、と思ったことは?

    リビングの大開口窓の仕様と位置。自分たちにフィットする回遊動線。目立たないのに十分な収納とヌック。

  • Q3

    HASHIBA KINOIEに頼んでよかったことは?

    設計の小松さんと価値観が合っていた。要望を全部入れながら価格にも納得できた点。

PLAN

PLAN 図面 PLAN 図面

DATA

  • 敷地面積

    200.03㎡

    (60.39坪)

  • 延床面積

    105.38㎡

    (31.81坪)

  • 1F面積

    60.67㎡

    (18.32坪)

  • 2F面積

    44.71㎡

    (13.50坪)

  • デッキ面積

    10.80㎡

    (3.26坪)

工法/木造在来軸組工法 基礎/ベタ基礎 構造材/柱:ホワイトウッド、梁:ベイマツ、土台: ヒノキ 断熱材/屋根:Green Air Foam180㎜、壁:Green Air Foam85㎜、基礎:立ち上がりGreen Eco Foam90㎜、スラブ Green Eco Foam45㎜ 主な外装仕上げ/屋根:ガルバリウム鋼板、外壁:マヂックコートコテ仕上げ 主な内装仕上げ/天井:ビニールクロス・ホワイトオーク、壁:ビニールクロス、床/アッシュ突き板フローリング・クッションフロア 開口部/樹脂製三層ガラスサッシ・木製三層ガラスサッシ キッチン/造作キッチン キッチン熱源/IHクッキングヒーター バスルーム/TOTO サザナ 暖房の種類/床下エアコン C値/0.5、UA値/0.44